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大阪地方裁判所 平成8年(わ)3521号 判決

本店所在地

大阪市西淀川区出来島三丁目一番四〇号

ブルーピーター株式会社

右代表者代表取締役

藤井秀夫

本籍

大阪市福島区海老江二丁目七一番地

住居

同区海老江二丁目八番三四号

会社役員

藤井裕昭

昭和一七年一一月一七日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官見越正秋、弁護人中垣一二三出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人ブルーピーター株式会社を罰金八〇〇万円に、被告人藤井裕昭を懲役八月に処する。

被告人藤井裕昭に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人ブルーピーター株式会社(以下「被告会社」という)は、大阪市西淀川区出来島三丁目一番四〇号に本店を置き、衣料品・日用雑貨等の販売を業とする資本金一〇〇〇万円(平成五年一一月三〇日、五〇〇万円から変更)の会社であり、被告人藤井裕昭(以下「被告人」という)は、被告会社の実質的経営者として、その業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、別紙一修正損益計算書記載のとおり、平成五年一〇月一日から同六年九月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億三七一三万一一四円で、これに対する法人税額が五〇二八万三七〇〇円であった(別紙二税額計算書参照)にもかかわらず、架空の仕入れを計上するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同年一一月三〇日、同区野里三丁目三番三号所在の所轄西淀川税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四〇八一万三二一〇円で、これに対する法人税額が一四一六万四八〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって、不正の行為により、別紙二税額計算書記載のとおり、同社の右事業年度の法人税三六一一万八九〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

(注)証拠末尾の括弧内に記載した漢数字は、証拠等関係カードの検察官請求証拠番号を示し、かつ、証拠等関係カード乙の番号については、右番号の前に「乙」と記載する。

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する供述調書八通(一一ないし一八)

一  被告会社代表者藤井秀夫及び翁長壽美子の検察官に対する各供述調書(五、六)

一  査察官調査書五通(七ないし一一)

一  証明書二通(二、三)

一  「所轄税務署の所在地について」と題する書面(四)

一  法人登記簿謄本(乙一)

(法令の適用)

被告人の判示所為は法人税法一五九条一項に該当するので、所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期の範囲内で被告人を懲役八月に処することとし、情状により、平成七年法律第九一号附則二条一項本文により同法による改正前の刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

さらに、被告人の判示所為は被告会社の業務に関してなされたものであるから、被告会社については、判示所為につき法人税法一六四条一項により同法一五九条一項所定の罰金刑に処すべきところ、情状により同条二項を適用して右の罰金額はその免れた法人税の額に相当する金額以下とし、その金額の範囲内で被告会社を罰金八〇〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 的場純男)

別紙一 修正損益計算書

〈省略〉

別紙二 税額計算書

〈省略〉

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